2005/08/30 アート
建築にとっての芸術や芸術性とはどんなことだろう。
芸術は本来人間のためにあるべきものであるが、芸術を極めていくと芸術のための芸術に陥る可能性を孕んでいる。
そして、芸術はある意味希少価値を売り物にしているので、それが大量に複製されると価値そのものを失う可能性があることも考えられる。
だからこそ知的財産権が存在するが、建築の場合の知的財産権は極めてオープンである。
少し有名な建築であれば、材料やディテールの情報を簡単に得る事が出来る。
しかし、それで同じ建築が創る事が出来るかというとそんなに甘くはない。
確かに、オリジナルに近づくことはあるかもしれないが、所詮それは模倣であって有名画家の模写のように似て非なるものになる。
建築にとって材料や構造はその求める空間に対する一つの解答であって、目的ではない。その目的に忠実であればあるほどその選択の結果はその選択者唯一の方法となる。
そういう作業は雲をつかむようで際限がない。
そして、それは実務的な問題に直結する場合が多い。
早い話が単純にコストにはねかえる。
しかし、かつてケーススタディハウスのコーニッグが安そうに見えるという理由でベニヤを多用していた。当時では本当は高いのにだ。
それには、安そうに見えるその見え方を求めていたからであり、実際に安いか高いかは問題では無い。
だからこそ、ケーススタディハウスは評価され、ある種の時代を表現する作品になっている。
今の標準はかつての特殊であったり、今特殊であってもいずれ標準的になる事はよくある。だからこそ、どのような空間にするのかは、その素材の本質を見抜かなければ表現できない。それを求めていれば、自然と時間に対する解答にもなり得るのではないかと考える。
芸術はその物体が芸術に昇華する事もあるだろうが、建築の場合はその環境自体が芸術的であり、それがより生活に密着している方がとても美しい。
そして、それは簡単に感じられるものでは無く、やはり人間の方に問題があって埋もれている事の方が多いと思う。
それを、引き出したりより輝かせる事が建築や建築家のとっての使命だと思う。
そして、そのような建築が愛され大切にされるのが最も大事な事だ。
そのためにはただ単にきれいなだけではない、チャーミングさが必要だろう。
かわいい建築・・・。
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