2005/12/20 対処療法
最新の医療現場がどうなのかは良くわからないが、現代の医療が対処療法がほとんどなのは良くわかる。
体の調子が悪いときに病院に行っても、適当な薬をもらうか、直接体に注入されておしまいだ。
某大学の教授が「透析患者のほとんどは病院にいってからさらに悪化していく」と明言していた。
それは、現代の医療が無能なのではなく、対処療法を極めるばかりで根本的な原因を理解出来ないことだと考える。
建築に置き換えてみると、工務店やハウスメーカーは対処療法的だと思う。
地方の住宅はほとんどが同じプランではないかと思える位、似ている。
そこに仕上を変えているだけで、基本的に同じだとすれば対処療法でしかない。
ハウスメーカーの新商品と呼ばれるものは、まさにその典型である。
型式認定という認定を取っているので構造は基本的に変えられない。
仕上材にしても、基本的な基材を変えるのはコストがかかるので出来ないから、表面の模様を変えているだけだ。
建築家であれば、対処療法では解決出来ない問題を解く事を考える。
根本をたたき直す。それは、コンセプトをブラッシュアップする事に他ならない。
都心の狭小住宅が魅力的に見えるのは、その狭さがテーマとしてブラッシュアップされるほど
考え抜かれているからだ。
都心に情報があるから、東京の事務所の作品が優れている訳ではない。
地方は条件がいい分、ブラッシュアップを必要とせずに住宅を建てる事が圧倒的に多い。
ハウスメーカーが地方に強いのも当然。
人間は生命の危機に瀕した時の防御機能をたくさん持っているが、そういうものにさらされない状況が長く続くと今度は機能自体が退化する。
感覚やセンスも退化するのだろう。
個人として膨大な資金をつぎ込むのだから、それに見合う思考があるはずだ。
考え方を柔軟にすることは、簡単なようで非常に高度な技術を要する。
それは、全てを満たすものはないからだ。
つまり、何かを得るためには犠牲をいとわないという気持ちと勇気が必要だ。
それを持つクライアントと試行錯誤する建築家がコラボレーションする事で初めて住宅が建築として昇華する。
だからこそスペシャルな住宅を手に入れる事が出来る。
だが、そういうスペシャルさは万人に必要ではないのも現実。
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