2006/07/24 デザインは必要か
建築デザイン思考と言っている以上、建築デザインという行為は常日頃考えている訳ですが
ときどき本当に必要かどうか不安にあることもある。
特に拠点が地方に移動した最近は顕著に感じてしまう。
日本の建築の歴史の中では、建築家という概念はつい最近まで存在しなかった。
つまり、デザインを専門に考える事自体が無かったとも言える。
特に住宅のデザインに至っては、大工である施工者が自らの手の中で、歴史と伝統を継承しながら
培ってきた。施主や大工以外の関係者が考えられるのは、平面的な「間取り」くらいしかなかったと思う。
それ以外は、長年の修行によってのみ生み出される立体的な構造体を眺めながら
施主は、そこに住む日を心待ちにしていたのだろう。
そして、その光景は今でも根強く残っている。
2005年に日本の人口は戦争以外で初めて減少した。
それは、今までのスクラップアンドビルドの時代の終わりを告げている。
つまり、これからは簡単につくったりこわしたり出来ない時代になってくる。
そういう時代の中で、何を考え何を創り何を残していくのか。
それを考えるのが、デザインにとって重要なこと。
むしろそれがデザインであると言える。
デザインを考える事がお金のかかることだと思われている節があるが、それは間違いだ。
むしろ(デザインを真剣に)考えられていないから、お金がかかっていると言った方が正しい。
コストデザインという言葉通り、コストも重要なデザイン要素だ。
限られた予算の中でどういう選択をするかは、建築家と施主の価値観でしか判断出来ない。
施主の意見が全て正しい訳ではないし、建築家においてもしかり。
だからこそ、話し合う。徹底的に。
いい建築を求める気持ちが双方にあれば、必ず見つけられるはずだ。
住宅という建築は、ただの建物にも世界一の傑作住宅にもどちらにもなれる可能性がある。
ただの建物にはデザインは必要ないかもしれない。
でも、同じお金を出して世界一の傑作が手にかもしれないとすれば
その可能性にかけてみても、決してムダではないと思うのですが。
もちろん、結果的にそうでなかったとしても、そのプロセスは前者と後者では全く違うものになるでしょう。
そして、出来た住宅建築を心から好きになれると思います。
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