Category Archives: 2014

PC

私も実施設計に参加したno.555が設計した案件で工事中の現場を見学させてもらいました。 躯体はPC構造でちょうど建方をしています。 タイトルの”PC”はパソコンのことではありません。 「プレキャストコンクリート」のPCです。 PC構造というのは、それぞれのパーツに分かれた躯体を模型のように組み立てていきます。 写真の壁は約7トンほどあるそうです。 現場打ちと違って、工場で製作するので精度がとても高くなり工期も短いのが一般的です。 大きな現場でしたが、とても整理がされていて美しい現場でした。…

LONDON-6

今回の目的でもあるTate ModernとMillennium Bridge。 この橋は開通3日後に横揺れが激しくて閉鎖になって、改修したもの。 アラップの構造設計がかなりキワドかったのでしょう。 意匠はノーマン・フォスター。 きれいな橋です。 Tateは引きで見ても迫力あります。 Herzog & de Meuronの初期の集大成的な作品だと思います。 近年は、作風が若干変化しましたが、この頃の方が僕は好きです。 振り返るとこんな感じ。 セントポール大聖堂に軸線が突き刺さります。…

LONDON-4

まずは大英博物館。 ここは、建築も展示も両方楽しめます。 ツアーらしき人もたくさんいて、混んでいました。 こういう建築がきちんと機能しているというのは、良いです。 しかも、近代の技術もいろいろ利用して。 彫刻や装飾がある建築を現代建築でやったら、それはそれで新たな道かもしれないが 装飾が悪者にされて以来、そんな建築はあまり見たことがない。 むしろ、それ自体が彫刻と化している建築がゲーリーのような建築に繋がっている気がする。 ザハしかり、それは個人的な感覚でしか建築がつくられないとすれば、様式こそが新鮮でもある。 そして、それが共存することでより対比が強調されていく。 建築は周囲との関係において、その差位をデザインしている。 つまり他者が存在しなければそのデザインの意味も捉えづらいものになる。 建築にはいろいろな他者が存在し、それは具体的な存在でない場合も多い。 目の前の建築がどんな他者と戦っているのか、それを考えながら建築を考えてみるのも面白い。 美しいグレートコート。…

LONDON-3

ロンドンの街。 歴史のある建築と新しい建築のあり方。 ガラスの使い方が、日本とは違う。法律や規制が異なることも関係しているが やはり、その構想というか根っこの部分が違うと感じる。 ハイテック建築の故郷ですが、それでなくとも構造の表現が美しい。 駅のガラスを支える支柱のような日常的な建築にさえ、その思想が宿っているように感じてしまう。 日本はカオスだなぁ。 写真の右側は、恐らく商業建築。 ブロンズガラスにシルクスクリーンらしき、グラデーション。 大人っぽい建築です。…

LONDON-1

久しく更新が滞っております。 手が空いてきたので、ロンドンの旅日記でもつらつらと。 写真はホテルの最寄りのアールズコート駅。 ハリー・ポッターが出てきそう・・・。 全ての建築に新しい部分と古い部分が入り交じっていて、古いものがそのまま残っている建築は割と少ない。 日本の感覚だと新しいものは、全てが新しく、古いものはそのままの状態で残そうとする。 それは、あまり自然な状態ではなくて、使いながら残していくことが結果的に古いものを残すことになると思う。 その違いが、街の雰囲気の違いに繋がる。 ロンドンではそもそも新築もままならないけれども。…

卒業

私事ながら、我が子の卒業式に出席しました。 この学校は、合唱に力を入れているらしく、国家斉唱、校歌合唱ともにとても美しいものでした。 昨今の教育現場は、荒れているとマスコミは報じますが、きちんとしている学校もたくさんあるのも事実です。 全体の式典が終了して、各クラスごとに担任の先生の最後のあいさつを子供達と一緒に聞きました。 涙をこらえながら伝えてくれた思いは、きっと子供の心に響くものになったと思います。 思いを持って真摯に接している先生は、他にもたくさんいらっしゃると思います。 そういう先生方に出会うことも、そして別れることも人生にとてつもない影響があると思います。 自分の過去を振り返ってみても、そういう出会いと別れがあって今の自分があります。 とても良い卒業式でした。 そして、寂しい気持ちと未来に対する希望とが入り混じった、不思議な気持ちになりました。 あらためまして  今年卒業された全ての人に    卒業おめでとう…

ロンシャンの礼拝堂

コルビュジェの建築を愛する者のとしては、聞き捨てならない事件が起きたようです。 なんとドローイングの書かれたガラスが粉々に割られてしまいました! 犯人は不明のようです。 詳細は、私自身もよく分かりませんが、とにかく粉々になってしまったということだけは揺るぎない事実のようです。 形あるものは、いつかは壊れてしまうものですが、貴重なドローイングを失ってしまったことは、大変に残念です。 しかも、一番目に入る重要な箇所で、建築そのものを印象づけるブルーの光を導くためのガラスです。 どこにでも不届き者はいるものですね・・・・。 それにしてもなぜこのガラスを・・・。 10年以上前になりますが、僕が訪れた時の状態。日付の印字が時代を感じます。…