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クラシック

TNデザイン一級建築設計事務所

Photo:Karmann Ghia motif by exfordy

最近、クラシックカーに乗ってます。
まだまだ、手を入れなければならない部分があり
なじむまでに時間がかかりますが、徐々に自分のモノになっていく感じがたまらない。
そして、事務所と自宅の往復しかしていないのだが、止まっているとやたらと声をかけられる。
そのほとんどが、40代、50代以上の男性。
「この車、本当に動くのですか?」
「もちろん、動きます。」
こういう会話が多くなった。
「若い頃、これに乗ってたんですよ」
と言われる事もある。
「記憶」というものはデザインの要素の中で重要だが時間を伴うものなので難しい面もある。
建築は特に街の記憶を刻んでいると言える。
車は動くものだが、それでも街の記憶の一端を担っているとも言える。
旧車の場合はむしろその人の人生の記憶になっている場合が多いかもしれない。
日本の街並には、昭和中期や後期に建てられた建築が、街の記憶にまで昇華している場合は
少ないように思える。
そのほとんどが、スクラップとなって更新されている気がする。
昭和初期でもよほどの価値が見いだせない限り、同じだったりする。
車ほどデザインに開きはないが、建築にも流れがあり、その時代の流行がある。
それが、同じように更新されていくのではなく、古い物と新しい物が調和しつつ
その新しさや古さを味わう寛容さがほしい。
古い車には最新の設備はついていないし、いつ止まるかもしれないが
多くの人の記憶を呼び覚ます事が出来るなら、それだけで存在価値があると思うのだ。
そして、それは建築にとっても必要な事だと、車のステアリングを握りながら考えていた。

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