Category Archives: 建築計画

ギャラリー桜の木

久しぶりの軽井沢。 クライアントを「ギャラリー桜の木」へご案内。 絵画だけでなく、ガラス製品や陶器もあります。 建築はNAPの中村さんの設計で可愛らしい建物です。 小ぶりな空間ですが、随所に巧さが散りばめられていて、素敵です。 もう竣工して10年みたいですが、全くヤレた感じがしないのが凄いと思います。 そういえばリボンチャペルの外壁は、ここから始まってるのかも・・・。 隣のアートミュージアムも「織晴美」展が開催されていて、日本初だそうです。 織さんを初めて知りましたが、面白いアートだと思いました。 しっかり価格もついていたので、販売もしているみたいです。 奈良さんの絵も数点ありました。 近いので、僕の大好きな「軽井沢千住博美術館」もご案内しました。最初のレビューはこちら この建築のこと、千住さんの作品のことを話をしながら、互いの感じ方を確認することは 感性を共有する上で、とても大切なことだと思いました。 やはり、同じモノを見て共感できない人とは、仕事をしてはいけない・・・。 設計中にクライアントと一緒に自作を含めて建築を見たりする機会は、あまりとれない場合が多いので これからは積極的に行ってみようと思いました。 そして、一緒に見ることが大切。見慣れていないと見方が分からないこともある…

質感

現代のネット社会において、建築の物質感やリアリティ、質感が軽視されていると感じます。 昔はそれが、建築雑誌の情報でした。 建築がビジュアルを扱う芸術である以上、写真とは密接に関わっているので 写真で分かったような気になるな!ということは、先輩にいつも言われてきました。 だから、建築家のグランドツアーは非常に重要で、何を見て何を感じるかを 体にそして脳に焼き付けることが、その後の設計に影響を与えることになります。 ネットの情報は、2次元のものであり、建築の全てを表現するには、実に不十分なメディアです。 コルビュジェは、それを逆手に取り、むしろ積極的にその「不十分」なメディアを使って、イメージを流布しました。 それが過度に進化しているのが、現代の状況です。 ところで、建築には床があり壁があり天井があるというのは、逃れられない現実であり だからこそ、上記の一つでも「〜がない建築」は、センセーショナルであり、羨望の的となる訳です。 しかし、裏を返せば建築の違いが、「壁、床、天井」の仕上の表面の違いとしか認識しないということも可能です。 台紙となる元の形を作って、どこかで見た仕上げを、CGマッピングのように貼り付ければ出来上がり。 ハウスメーカーやディベロッパーの作る建物は、ほとんどがそんなイ…

使い勝手

「SI-house」のオーナー様との会話の中で、ゴミの話題になった。 住んでいれば当然ゴミが出ますが、その処理方法といいますか、最終的にどのタイミングで収集し捨てるのかは人それぞれと思います。 ただ、出来るだけ存在を隠しながら美しく振る舞いたいと思うのは、現代の常識だと思います。 そこで、奥様に「ゴミの保管はどうされてますか?」と聞いた時 「玄関を出てからグルッと裏に回って外の物置に入れるんですよ」とニッコリ。 「あーそれならば、ここらへんに勝手口ドアあった方が良かったですかね?」と私。 すかさず奥様が、「それはナイです!今のままで全然問題ないですよー」と再びニッコリ。 現状のプランで出入り口をつけようとするとリビング壁面が乱れます。 当然、そういう要望があった場合は、出来るだけ綺麗に納まるように考えるのですが つけない状態の方が美しいのは言うまでもない。 そういう意図を理解して共有しているからこそ、出る言葉だと思います。 設計をする上で、日常の家事動線を短くすることは、当然のことです。 ただし、それは絶対的な正義ではない。 使い方に問題がなければ、或いは別の優先するメリットが明確にあるならば、その設計は正しい。 これは、建築家住宅に住む人には必ず要求される能力だと思いますが 「柔軟…

M2地盤調査

M2-houseの地盤調査です。 解体前なので、限られたスペースでの調査になります。 SWS試験データはあるのですが、やはりボーリング調査をしないことには厳密には把握できないので 当事務所では、予算の許す限り行っております。 近年ハウスメーカー等では、無料サービスでSWS試験を行っている場合が多く、時代の変化に驚かされます。 それをサービスにすることで、小さな資本の会社との差別化を図っているのでしょう。 現場に行く途中、周辺で少し迷ってしまいウロウロしていたら、偶然発見しました「2004」 設計は中山英之さん。 松本にあるのは知っていましたが、なんと目と鼻の先ほどの距離とは・・・。 2004年と言えば、この作品が受賞したSDレビュー2004で見たパースの抽象度にクラクラしながら 僕は東京で「#5115」を設計していました。なので、無条件に反応してしまいます。 そして、13年経って、こんな近くでプロジェクトを進めているというこの不思議な感じ・・・。 さすがに、昼間から人の家をパシパシ写真撮る勇気を持ち合わせていないので、ネットの写真を拝借。 既に最初のオーナーが売ってしまったらしく、住人は当時と違うそうです。 様々な理由があるのでしょうが、建物は残ってほしいと思います。 竣工当時の環境…

TNデザイン一級建築設計事務所

見積査定

[:ja] Photo:Ironic the amount of paper on my desk analysing results from a “digital” infrastructure survey. by kaythaney 設計作業の締めくくりでもある見積。 ここで、設計図が絵に描いた餅になるか リアルな建築として現れるかのハザマでゆらゆらと漂います。 この期間が設計作業の中で案を生み出すことの次に過酷な作業だと思います。 そして、自分の設計図を見積りされるというのはこの上ない緊張感がともないます。 クライアントの資金に見合うように設計するのは、ある意味至極当然なのですが その中で、より多くの価値を付加させることも、最大限努力するべきことだとも思います。 例えば、新たなチャレンジを試みようとするならばコストコントロールはよりシビアになっていきます。 スムーズに進めることよりもちょっと立ち止まって考えることで価値が上がったり、安価になるのであれば それは最優先すべきことだと思います。 求められた要求と予算をピタリと合わせてスムーズに進められたほうが、スマートで 設計者として優れているという意見もあると思います。 でも、どんなにスマートに進められ…

長野のデザイン住宅設計事務所

現調

[:ja]久々の現調。 簡単なリフォームなので 1時間弱で終了。 近所の公園の桜が大分咲き始めていました。 満開ではありませんが、綺麗です。 北信も桜の季節です。 東北は、まだ寒いかもしれませんが 心の春が訪れることを祈りながら。。。 [:en]久々の現調。 簡単なリフォームなので 1時間弱で終了。 近所の公園の桜が大分咲き始めていました。 満開ではありませんが、綺麗です。 北信も桜の季節です。 東北は、まだ寒いかもしれませんが 心の春が訪れることを祈りながら。。。 [:]…

TNデザイン一級建築設計事務所

SI-house打合せ

長らく、おまたせしてしまったクライアントとの打合せ。高速バスで現地に向かいました。 燃料の消費が抑えられれば、それはそれで被災地支援になるかと・・・。 それによって、時間の制約が出るので、毎回という訳にはいきませんが なるべく利用したいものです。 座席は思った以上に混んでいました。 震災の影響ということでは無いのでしょうが・・・。 肝心の打合せ。 設計の全容を説明するというのは、思った以上に大変。 内容は、クライアントそれぞれに異なるのは当然ですが そこで、何を実現するかという思いもやはり、異なります。 それを説明しながら、理解を得ていきます。 クライアントが初めてのことなのはもちろんですが 私にとっても、新たな挑戦という意味において初めてのこともあります。 それを、理解するのはお互いに時間と説明を必要とします。 携帯電話の取扱説明書がなぜ厚いか。 多分、それは、伝えなければならない(伝えたい)ことが たくさんあるからだと思います。 例えば、取説の最初の方のページには電源の入れ方が書いてある。 大抵の人は、携帯の電源は分かりやすいマークが付いているので 取説をよく読まなくとも、理解できると思います。 では、iphoneの電源はどうでしょう。 apple製品をお持ちの方は、すぐに理解で…

長野のデザイン住宅設計事務所

打合せ

今回の東京出張は、なかなか刺激的。 偶然が重なり、会いたい人と出来るだけ打合せを組んだら あまりにタイト過ぎて、全ての予定が押し気味に・・・。 良い結果もあれば、頭をかかえる出来事も多いのはいつものことなんですが。 予定時間に遅刻してしまうのは、ダメですよね。 反省してます。 関係者の皆様方、ごめんなさい。 最後の打ち合わせ後は、結局ダッシュ。 2分前にバス停到着。危なかったー。 何年ぶりだろうかタクシーも利用しました。 あの方のアドバイスがなかったら、バス停も遅刻しました。きっと。 高速バスは安くて便利なんだけど、時間の融通が難しくて。 余裕のある時はいいのだけれど。 移動で往復7時間以上取られるのは、日帰りの場合はキツイ。 新幹線なら、往復3時間ちょっと。 でも値段が3倍。 昔は高速バスとの価格差2倍くらいだったので、新幹線でも良い気がしてましたが 3倍となると、考えます。 バスの値崩れ激しすぎ。 次回は気をつけて、余裕をもって予定立てよう・・・と思うけれども いつものことになってる気が・・・・・す・・。 写真は構造家の方に頂いたスケッチです。 その場で計算が書かれているので、参考にコピーをお願いしましたら 原本を頂きました。 ありがとうございます。…

TNデザイン一級建築設計事務所

図面

今の時代、実際に「描く」ということは、ほとんど無くなりました。 CADソフトで入力と言ったほうが正しいかもしれません。 でも、やっぱりイメージを描くという意味では描いているに違いないと思います。 そして、どんなに道具が便利でも頭の中が、進化しない限りできる建築はたいしたことにはなりません。 だから、以前よりも脳みそ使っている気がします。 考えて考えて、また考えて。 くだらない絵もいっぱいかいてりして。 ちょっとしたことで、息詰まることもしばしば。 そんなときは、好きな椅子で、きれいな写真をみて きれいな女性と・・・じゃなくて うまいコーヒーで気晴らし。 もう一頑張り。…

TNデザイン一級建築設計事務所

地盤調査

もう1ヶ月ほど前になりますが、地盤調査(ボーリング)を行ないました。 最近は、住宅ではスウェーデン式調査が必須になってきいるようですが、信頼性においては ボーリング調査の方があると思います。 当事務所では、ボーリング調査をおすすめしています。 ただし、地盤補償等が充実しているのは、スウェーデン式なので、ご希望により判断が分かれます。 あとは、構造形式にもよるのですが・・・。 この土地は、遺跡が発掘されるような場所で、古くから人が住んでいると思われる場所です。 遺跡が出ると、工事は止まってしまうので、あまり好ましいことではないのですが 出てしまったら、それはそれで、「過去に人が生活していたんだ」というロマンを感じてしまいます。 結果は、何も出ませんでした・・・。 とても、残念そうに書いていますが、そんなことはありません(?)。 地盤の強度としてはとても良い結果でした。 地盤関係の費用は抑えられそうです。もう1ヶ月ほど前になりますが、地盤調査(ボーリング)を行ないました。 最近は、住宅ではスウェーデン式調査が必須になってきいるようですが、信頼性においては ボーリング調査の方があると思います。 当事務所では、ボーリング調査をおすすめしています。 ただし、地盤補償等が充実しているのは、スウェ…

TNデザイン一級建築設計事務所

presentation-2

もう一週間前になりますが、住宅設計のプレゼンテーション。 こちらのエントリーから早3ヶ月近く・・・。 こちらは、初回ですので結構緊張ものです。 クライアントにとっては、初めて見る計画案でも、設計する側としてはかなりの検討を重ねている場合がほとんどです。 敷地を見た時のインスピレーションは大事なもので、それが計画の全体像を決定づけていることがよくあります。 しかし、それだけで計画が成立するかといえば、しない場合の方が多いです。 建築は用途という重要な役割がありますので、それに見合う機能を盛りこまなければなりません。 様々な法的制限も考えなければなりません。そして、一番気になる予算・・・。 以前は、検討段階のものを全て見せたり、ケース別で案をまとめてみたり、いろいろ工夫してみたりしていた頃もありましたが、 なかなかスムーズに理解してもらえないことも多く、今では案を絞って絞りきったところでプレゼンを行うパターンで落ち着いてきています。 事務所によっては、膨大なプロセスを共有する手法をとっているところもあるようですが。 さて、今回のプレゼンテーションはと言いますと・・・ 模型を持参したのですが、ケースから出してビックリ!模型が崩壊していました。 いつもは、模型の製作に両面テープはあまり使わな…

TNデザイン一級建築設計事務所

presentation-1

現在設計中の住宅の打ち合わせ。 今回は、クライアントのご好意でお食事会を開いていただきました。 美味しいうなぎをいただきました。ご馳走様です。 2度目の提出案もご満足頂けたようです。 これから、細部の検討になると思います。 やはり、設計するものとしては、案を気に入ってもらえることがなにより嬉しい。 うまくいかないことも、たくさんありますが、こういう一時は幸せな気持ちになります。 そして、今回の打ち合わせはクライアントの人となりを知ることができる有意義な時間でもありました。 建築はどんなテクノロジーが利用されようとも、人間のために存在している以上、利用する側の人となりを知ることは、住宅を設計する上で非常に重要です。 クライアントに限らず、同じくらいの世代と話をすると、似たような立場で仕事をしている場合が多いので、仕事に対する姿勢や考え方は非常に興味があります。 しかも、他分野の仕事の話は聞いているだけでも、ワクワクします。 それぞれの仕事の華やかな部分というのは、巷の情報源でもある程度知ることはできます。 しかし、苦労話というのはなかなか聞けません。 失敗談や問題点は、笑い話になるならば話せても、笑えないことも多いからかもしれません。 それは、どんな仕事をしていても同じなんだと思います…