Category Archives: 建築デザイン思考

初詣 2019

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。今年は、初めて(初詣として)善光寺に行きました。年末にたまたま善光寺に立ち寄ってみたら、観光客の賑わいぶりにびっくりしましたが、その賑わいがすごくスポット的で少し離れると閑古鳥が鳴いているという状況にまた驚いて。じゃあお正月はどうなの?と思ったら、善光寺に初詣は行ったことがないということに今さら気づきました。もう長野に住み始めて長いんですけど・・・。 トップの写真が山門で、回廊に上がれるということで、早速拝観しました。内部は写真撮影不可ですが、景色はよろしいとの事。初めて見る眺めと木造の回廊の軽快さが気持ちイイです。あらためて立派な木造建築群です。社寺建築も少しだけ設計経験あるのですが、これだけ大きいとどうなるのか想像つきません。唐突ですが、今年はいい年にするぞー!…

SI-house写真集 重版

「SI-house」写真集の在庫がなくなってしまったので、重版しました。 初版当時は、なかった各賞受賞のキャプションを追加しました。 以前の印刷環境から変わってしまったようで、仕様が特殊で対応出来る業者が限定されてしまいました。 紙の質感が少し違ってしまったのですが、何とか満足のいく仕上がりになりました。 住宅は作品ではないとか、建築と住宅は違うとか、そういう批判をする人が大勢いることを 知っているしその意見が全て間違っているとは思いません。 ただ、僕は住宅という建築の素晴らしさを知っていて、作品としての住宅が 生活を豊かにできるということを信じています。 僕の設計した住宅が、性能もデザインも優れていて、なおかつ他と比べてコストも安いならば それは画期的な発明であるし、それを広く一般化することは社会にとっても重要だと思います。 世の中に100%の真実は存在しないと僕は考えます。 同じ時間を共有した他人同士が、同じものを見て、同じ現象を感じても 自分の感情や意味が、その他人と同じであるという前提は、100%ではない。 全く違うことは想像しにくいが、そうなることも考えられるし、90%以上同化している可能性もある。 他人の視点を想像することは出来ても、完全に自分のものにすることは究極には難…

そらしま

事務所のすぐ近くに古道具屋さんがあるらしい。 ということを、妻が発見したので、早速いってみた。 それは、僕の日常の風景の中に溶け込んでいて、全くお店らしくない顔をして、佇んでいた。 でも、お店「らしさ」って何?と自問すると、途端に言葉に詰まってしまうのだけど。 入口は事務所になっていて、唯一のあったかいところ。 ココ以外は、とても寒くて外より寒い感じがするのは、光のせいだろうか。 最近の性能重視の空間とは違う、身軽な空間の優しい光がここちいい。 でも、ここちよさは、人それぞれ違うと僕は思う。 気温や空気が数字に変換されて評価することも大切かもしれないけれど 好きな写真が一枚あるだけで、その空間がここちいいモノに昇華してしまう人もいれば 単なる不動産的価値しか感じ取れない人もいる。 古道具だって、ただ古いだけで使えないーとか、汚いなーと思うのか、こう使ったらカワイイねーとか 無垢材削ったら、新品だよねーとかって思うのかで価値は異なる。 建築家の内藤廣さんの受売りだけど、今使ってるその辺の割り箸だって、保存していれば100年後には文化財になるらしい。 僕には、その瞬間を見ることは出来ないけどね。 古道具を使いこなすのは、それだけでかっこいいーと思います。 究極の古道具だったカルマンギアを…

2018 謹賀新年

2018年あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いします。 さて、年末の話ではありますが、木曽町で計画されている庁舎のコンペ結果が発表されました。 実は私も参加しておりましたが、1次審査を通過できずという結果でした。 なので、2次審査は気楽に結果を楽しみにしておりました。 そして、その結果を見てあらためてコンペの難しさと理不尽さ感じました。 1次も通過してない分際で、とやかく言うつもりもないのですが 少し残念な気持ちになりました。アイキャッチ画像は提出案です。 近年、求められている公共は、特に現状の日本の世論というのは とかくリスクを避ける傾向が強いように思います。 インターネットの発達によって、情報を手軽に扱えている割に 文化や思想というレベルでの、発達や発展がまるで逆行しているように思えます。 建築は特にモノづくりという側面が強いので、物質というリアルと向き合う世界です。 それは、今のIT社会の側面とそぐわない部分が多々あります。 どんなに、バーチャル空間が素晴らしくなったとしても、建築そのものを電子化することは、現状不可能です。 それができたら、『マトリックス』が現実化しますが・・・。 人間もまた、電子化することが不可能である限り、建築はリアルな素材と向き合わずに…

HILL OF THE BUDDHA

約5年ぶりの札幌。 5年で町が大きく変わるわけではないけれど、少しずつ変化してくのが都市でもある。 以前はなかった、「頭大仏殿」安藤忠雄設計。 実は、実家のお墓がこの霊園にあるのだが、墓参りも満足に出来ずにいたのに心が痛みつつ まさか安藤作品と対峙することになろうとは・・・。 この霊園には、昔からモアイ像やストーンヘンジがあり、ちょっと奇妙な雰囲気を醸し出していた。 しかし、いくら正確に模倣したとしても、模倣でしかなく唯一無二な存在になることは出来ない。 モアイは見たことがないが、ストーンヘンジは実物を数年前に見た。 芝の上を歩く人数も制限され、慎重に保存されていたのを思い出す。 そこにある石像は、とても忠実かもしれないが、やはり巨石群というだけで、モアイでもストーンヘンジでもない。 大仏自体も鎌倉の大仏のようであるが、鎌倉ではないし、石像の大仏だ。 しかし、そんなある種、無造作に散らばっていたピースが、あたかも最初から決まっていたかのごとく おさまってしまうのは、安藤忠雄という構成力によってという以外に言葉が見つからない。 建築に機能が必要なのか疑問になるくらい、建築の価値というものを突きつけられる。 「ラベンダーの丘に飛び出す大仏の頭」 言葉にすると、これだけの建築だ。 でも、こ…

ARK NOVA

ミッドタウンの10周年企画として設置されたミニ・コンサートホールARK NOVA(アーク・ノヴァ)です。 安藤展も見たかったのですが、こちらも同じくらい見たいと思っておりました。 元々、東北の震災復興で企画されたもので、その存在は雑誌で知るしか術がなかったのですが 内部も一般公開されるということで、急行です。 デザインはアニッシュ・カプーアで、建築的なフォローを磯崎事務所が対応するというコラボレーション。 カプーアは、ロンドン在住の彫刻家で、21世紀美術館にも作品があります。 私なりの解釈ですが、彼の”孔”的な作品がとても建築的で、そこに惹かれます。 その”孔”の裏側のような空間を体験してみたいと思いました。 照明が思っていたような感じではなくて、もっと周辺が明るい時間の方が内部空間は幻想的だと思いました。 周辺が暗いほうが、照明で綺麗なのかと思っていましたが、全く逆だったので、読みが外れたようです・・・。 ただ、よく晴れた日曜の午後は人出も多く、スケジュール的な問題もあり、仕方がない。 本当はコンサートも聞きたかったが、あいにくの完売。外に漏れた音で楽しみました。 内部空間を経験しただけでも、ラッキーということで・・・。…

安藤忠雄展

新国立美術館の10周年記念企画の安藤忠雄展に行きました。 ミッドタウンも10周年だそうで、2009年のグッドデザイン賞の表彰式もこちらだったことを思い出しました。 さて、この安藤展はとても楽しみにしていたので、他に開催されているイベントもあって少し強行でしたが六本木へ。 天気が良かったせいもあって、テンションMAXで突入。 開館とほぼ同時だったと思いますが、思った以上の人気でした。 チケット買うのも、少々並んでました・・・。 会場では、住宅のブースがとても混んでいるのが印象的でした。 何度も見た住宅ですが、時系列で見るとまた違った様相にも見えました。 一般的には、一番身近な建築が住宅であり、建築図面を見るのも初めての人が何を基準に建築を見るかと言えば 自分の住まいだと思います。図面よりも模型に人が群がるのも、模型がわかりやすいからだろうし、住宅ならば、 想像しやすいからだと思います。 ただ、そこで気をつけなければならないのは、スケール感。 会場にある模型もスケールはそれぞれが同じではないので、それが理解できないといけない。 安藤建築は、驚くほど小さい作品も存在するから。 面白かったのは、近年の小美術館並の豪邸のところになると、急に人がいなくなる(笑) その意味では、光の教会の原寸を再…

ギャラリー桜の木

久しぶりの軽井沢。 クライアントを「ギャラリー桜の木」へご案内。 絵画だけでなく、ガラス製品や陶器もあります。 建築はNAPの中村さんの設計で可愛らしい建物です。 小ぶりな空間ですが、随所に巧さが散りばめられていて、素敵です。 もう竣工して10年みたいですが、全くヤレた感じがしないのが凄いと思います。 そういえばリボンチャペルの外壁は、ここから始まってるのかも・・・。 隣のアートミュージアムも「織晴美」展が開催されていて、日本初だそうです。 織さんを初めて知りましたが、面白いアートだと思いました。 しっかり価格もついていたので、販売もしているみたいです。 奈良さんの絵も数点ありました。 近いので、僕の大好きな「軽井沢千住博美術館」もご案内しました。最初のレビューはこちら この建築のこと、千住さんの作品のことを話をしながら、互いの感じ方を確認することは 感性を共有する上で、とても大切なことだと思いました。 やはり、同じモノを見て共感できない人とは、仕事をしてはいけない・・・。 設計中にクライアントと一緒に自作を含めて建築を見たりする機会は、あまりとれない場合が多いので これからは積極的に行ってみようと思いました。 そして、一緒に見ることが大切。見慣れていないと見方が分からないこともある…

外壁メンテナンス

「SI-house」の外壁の撥水性能が衰えてしまって、汚れが付着しているのが目立つようになっていました。 前回は内装の清掃を行ったのですが、今回は外壁の清掃と撥水塗装をお手伝いしました。 近年の打放し補修方法は進化していて、素地のように見えますがほとんどがメンテナンスフリーを装った、塗装です。 例えるなら、ナチュラルメイクをという名のスッピン風メイク。結局、真のスッピンを晒すことはありません。 「打放し」の美しさは、そのコンクリートという素材の型枠転写の技術の結晶によるものだと私は考えます。 つまり、それは人為的なコントロールを超越した自然な風合いによる、一品生産によってのみ創り得るものです。 コンクリートという素材自体は、古代ローマ帝国の時代から存在していますが、現在の手法に近くなったのは、産業革命以後で 打放しの手法が確立してきたのは、ほんの数十年前です。 それでも、初期のポンプ車も撥水剤もない時代の打放しは、表面上の綺麗さとは違う意味での美しさを我々に教えてくれます。 そして、その打放しが風雨に晒され汚れてしまったとしても、美しく感じられるのはなぜか。 それは、建築自体の価値は、表面的な汚れによって奪うことが出来ないものだということの証明でもある。 その意味で、SI-house…