Category Archives: 2012

ボツ案

設計の仕事は、なにもないところから未来の建築を想像して形にしていく事ですが その裏には形にならない数多くのボツ案があります。 それは、設計者の頭の中で消去されるものもありますし、設計も図面も完成している けれど(様々な理由で)建たなくなることもあります。 その逆に、建築家の画をみて、建てたいということもあり得ます。 多くの仕事は依頼されてから、構想がスタートしますが、構想にあわせて土地を用意して実現することもあります。 上の写真はすでにボツになってしまった案です。 この敷地には、別の建物が立つ予定ですが、この案とは全く違うものになるでしょう。 僕が設計するかも定かではありません。しかし、僕が構想したこの建築は確かにここにあります。 幻のように儚い夢でありますが・・・。 The work of architectural design, it is to go to the form to imagine the architecture of the future out of nothing, but there are a number of dead issue plan that does not in shape to the back. It has also some …

久々の・・・

久々の更新でございます。 長らく放置しておりました。 お楽しみの方がいるのかいないのかわかりませんが、お付き合い下さい。 最近は、カルマン様の具合がすこぶる悪く。 ついに久々の不動車になってしまいました。 パーツを交換すればいいのですが、少し気分を変えて、自転車通勤を始めました。 娘の自転車を新調したので、それを借りています。 写真のようなとっても田舎チックな風景の中を、自転車で走るのは 想像以上に気持ちのいいものです。 気候も大分過ごしやすくなりました。 秋の気配を感じます。 秋の味覚も・・・。 コメおいしそー。なんて。 天気のいい日限定ですが、続けたいと思います。 運動不足だし・・・。…

そふぁー

SI-houseのsofaの打合せ。 本当は竣工と同時に納入予定だったのですが 大幅に遅れてしまいました。 長く使うものであって欲しいので いろいろな選択肢の中で、クライアントの希望に合うものを考えていった結果 僕のデザインを選択して頂きました。 大変、光栄なことです。 専門ショップにオーダーすれば、品質面では安心ですが 革の素材感を求めると、金額はかなりの額になります。 デザインで妥協して、ショップの規格品という可能性もありましたが 手探り状態ながら、なんとかフルオーダーで製作可能な方法に辿りつきました。 専門ショップの座り心地は、誰が座っても心地いいように考えられているので やはり、デザイン上はどうしても一般解になりがちだと思います。 その部分において、少しでも突っ込んだ提案が出来ないかと考えてデザインしました。 完成が待ち遠しい・・・。…

砕石

先週末に、久しぶりに飯田へ。 クライアントご家族にお会いして来ました。 今回の目的は、外構の砕石入れ替えのお手伝い。 砕石もきちんとしようとするとそれなりに費用もかさみます。 せめて、人工(にんく)だけでも協力できることはしたいです。 3人でやったら、1時間ほどで終わりました。 芝もだいぶ根付いてきましたし、中庭の樹木も古い葉を落としてもらって 元気に新芽を出していました。 いろいろなお話も聞けて、とても楽しいひとときでした。 すっかり長居してしまいました。 この場を借りて、クライアント様に御礼申し上げます。 とっても良い感じになりました。…

質_その2

前回からの続き。質についての思考です。 美術館のようなビルディングタイプであれば、建築自体もアート的な要素を 多分に求められると思われますが、住宅の場合はどうでしょう。 建築のデザインは機能と切り離されて存在するものは、あまりないと思いますが 機能だけで優劣を判断していくと、建築には成り得ない場合が多々あります。 例えば、安藤忠雄さんの「住吉の長屋」は最終的に日本建築学会賞という 日本のアカデミックな建築界の最高峰の賞を受賞しています。 しかし、雑誌で発表された当初は、様々な批判にさらされました。 その一番の意見は、トイレやお風呂にいく度に一度、外へ出なければならない というプラン上の制限についてだったと思います。 その後、その建築の評価が確立された後に、同じようなプランの コンクリート住宅がたくさん作られました。 しかし、どの住宅も一度外へ出るというプランはほとんど無く ガラスで仕切られていたり、中庭自体に屋根を掛けたりしています。 僕の知るかぎり、住吉を超える質に到達しているのはあまり無いように思います。 中庭があることや、外に出なければならないプランや 打ち放しで構成されていることや、その他の様々な要素を 単にトレースしただけでは、建築として高い質には到達できないということだと…

質_その1

日本には建築士と呼ばれる有資格者が、一級でも35万人くらいいるらしいのですが その中で美術館の設計を一生の中で、経験できる人は何人いるのでしょう。 恐らくほんの一握りの人であろうと思います。 もちろん僕のキャリアにも存在しません。 しかし、どんな建築、例えば、小さな住宅であったとしても、その空間の質を美術館やそれに匹敵するレベルに、常に 近づけたいと思いながら設計をしています。最近完成した『軽井沢千住博美術館』は、僕にとって、とてもインパクト のある建築です。そして、空間の質として、一つの到達点を見せてくれました。同時に、それに対する批判の意見を耳にしました。 それは、「絵に対する紫外線の劣化に対しての設計的な配慮がない」というもの。 美術館は絵を収蔵、展示する場所なのだから、そこに直射日光を入れる設計は言語道断であると。 その批判は最もらしいものですが、僕にはとても違和感がありました。 そして、その批判を裏付けるように、最近になって絵の周辺に遮光用のカーテンが設置されたようです。 (ただし、聞いた話ですので、僕が確認したことではありません。) この意見を述べた人は、恐らく「自分が言った通りのことが起こっている。だから自分の意見は正しい。」 と思っているかもしれません。 しかし、それ…

引越し

借りてた自宅を引っ越しました。 新しい自宅の2階のテラスからの眺め。 ザ・イナカって感じ。 本当は、早いとこ自邸を建てて引っ越すまでのつもりが・・・。 以前の住まいは、結局、新築から7年半ほど住んでいました。 いざ引っ越そうと思っても、あまり選択肢が多くない地方の町なので 満足度の高い物件が、そうそうあるわけでもなく。 今回は、ほぼ立地条件で選択。 決めたところは、事務所に近くて、学校に近くて、少し古い一戸建て。 2階建てに住むのは久しぶり。 思った以上に、住みづらい。 広さは、以前に比べると1.5倍近く広いのに。 面積詰め込んだだけの住宅は、考えもんです。 最近は、三低主義のように、賃貸が主流みたいな流れがありますが やっぱり、住まいを所有したい欲求はなくならない気がします。 その所有方法は多様化していくのでしょうけれど。 2階からカルマンが見える。 ちっちゃな庭があるのが、唯一の気に入ってる所。…

SI-house外構工事

久しぶりのブログ更新です。SI-houseの外構工事が終了しました。 やっぱり外構は大切です。 建築を作るだけで精一杯なことが多々ありますが 周囲をきちんと整えることで、建築の納まりが落ち着きます。 自分の仕事を客観視することは、建築家にとって大事なことですが 純粋な客観性が果たして可能なんでしょうか。 自分の思い入れをゼロにして自作を見ることは、僕にはとても難しい。 でも、あらためて見る『SI-house』は、少し冷めてしまった僕の心を ちょっとだけ揺さぶってくれました。 僕が必死に目指したものが、なんだったのか。 分からなくなってしまいそうな気持ちを少しだけ引っ張ってくれたような。…

Steve。。。

やっと完読しました。 改めて、破天荒な人柄と人生です。 ジョブズのやり方に疑問はありますが 生き方にはとても共感します。 経営とか経済を超えたところに、製品という目的と 会社という存在の意義があるということを 自らの人生で証明したという意味で。 アップルに興味を持った時期がジョブズの復帰と リンクしていることを知りました。 影響というのは、意識の外でも多大に受けるものだと感じます。 これからのアップルは恐らく厳しい戦いになると思います。 ビル・ゲイツの指摘の半分は正解だと私も思います。 もしも、さらなる躍進が待っていたとしたら ジョブズの存在が、すでに代替することができたもの であるということをアップル自身が証明することになります。 でもジョブズはどっちに転んでも、怒り狂うのは同じかも。 アップル本社にもかなり口出ししてたとは知りませんでした。 ジョブズなら建築でも傑作を創れたのかもしれません。…

SI-house_引渡し

「SI-house」の引渡しが終了いたしました。 ただ、完全に工事が終わっていない部分もありまして なかなかスパっと終わらないのが常なんですが。 建築自体もまだ、”慣らし運転”の状態なので 使用するにあたって、慣れて頂く期間が必要です。 特にこの建物には、見えない所で設備的な工夫を施していますので 季節によってコントロールが必要です。 引越しも終えて、徐々に生活に馴染んでいくと思いますが ご家族のとっても楽しそうな笑顔が印象的でした。 ここで切り取られている画像は、建築の一瞬でしかありません。 しかし建築や空間は、音や温度、匂い、様々な五感に訴えかけるものです。 Web上で画像を簡単に見ることができる時代になっても 建築は体感して初めて理解の出来るものだと思います。 そして、その土地に定着し、その場の環境と共に影響を受けながら また与えながら、時間を重ねてゆくものです。 このエントリーの写真は内覧会の時に撮影された写真と同じアングルで撮りました。 時間も異なりますが、光の具合も全く異なります。 日々の時間の中で、建築は光と共に変化します。 その変化をいつも自然に感じられる建築をつくりたい。 人間にとっての自然は、人間自身でもあるのだから。…