2024年にじっくり計画を進めていたプロジェクト。残念ながら着工には至らず、いわゆる「アンビルド(未建築)」の作品となってしまいましたが、クライアントのご厚意でサイトに公開できることになりました。
設計は終わっているので、敷地があればいつでも建てられますが、同じ条件の敷地というのは、意外にないものです。
建築というのは、その土地独自の条件に寄り添ってつくるもの。だからこそ、いつも「ゼロからのスタート」が基本です。敷地が変われば、建築も変わる。そして、建築家の目指す方向性も時には変わったりするのだから、建築の可能性は無限なのです。
そんな中、ありがたいことに、同じクライアントから「新しいプロジェクト」のお話をいただきました。まさか二度もチャンスをいただけると思っておらず。
嬉しさももちろんありますが、今はプレッシャーも倍増して、身の引き締まる毎日です。
正直なところ、設計したものが建たないなんてことは、僕らの世界では日常茶飯事です。コンペを見れば、何百という案の中で形になるのは、たった一案だけ。いちいち落ち込んでいたら建築家は務まりません。「それがこの世界なんだ」と、自分に言い聞かせながら過ごした2025年。
そして迎えた2026年。
クライアントの夢を形にするために、今の僕にできることは何なのか。
建設費が高騰し続けるこの厳しい時代に、それでも「いい建築」をつくる意味ってなんだろう。
そんなことを自問自答しながら、新しい計画に向き合っていきたいと思っています。