カマキン

Trips 2日目です。
朝から天気も良く、建築を見るには最高のコンディション。
鶴岡八幡宮は2度目なのですが、すぐ隣にある神奈川県立近代美術館 通称「カマキン」には初めてです。
カマキンは今月を最後に閉館し、建築は保存されるようですが、美術館として最後の展覧会です。
設計は坂倉準三。竣工は1951年11月。築65年で僕のカルマンより古いですね。
坂倉さんはコルビュジェの弟子としても有名ですので、プランや外観はその影響が見ることができますが、鉄骨造のこの建築は後のライトストラクチャーに通ずる軽さを持っています。
坂倉さん自身はこの後どんどんブルータルな建築に傾倒していきますが、パリ万博から続く鉄骨の美しさを追求している時代が、僕はとても共感します。
多分、当時の日本にはこの美しさを追求できる技術と資材がなかったのでしょうが、世界でもその方向性をいち早く見出した坂倉さんの先見性は素晴らしいと思います。
そして、この案をコンペで見出し実現させた先人達の英断は世界に誇るべき事実です。

自然光による展示室の屋根形状も、すぐに改修されてしまったところを見ても設計に技術が追いついていない為だと思われます。せっかくの薄い屋根が厚ぼったくなってしまったのも残念。

もっと残念なのは、同じ設計者による増築部分が、旧館ほど洗練されてされておらず、耐震性能により取り壊しになってしまうことです。傑作は様々な要因で生まれますが、後よりも先の方が優れているというのは興味深い事実です。

後ろ髪を引かれる思いで、鎌倉を後にして岡山へ直行です。
天気いいから散歩したいけど・・・。
2日目は、「カマキン」でお腹いっぱい・・・。

塗り重ねられた鉄骨に歴史を感じます。

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