UT基礎

”UT-house”の基礎工事が少しずつ進んできました。
今回は、基礎工事が難関なので、日々の天気を睨みながら、気を抜けない状態が続いております。
住宅に限らず建築工事は、特にコンクリート工事は、デジタル化が進んでいる現代でも、精度においては人の手による誤差が避けられません。全てを公差±0で施工する事は不可能なので様々な逃げの納まりを考えながら、最終的な仕上がりレベルを狙って施工していかなければなりません。CADで図面化していると直線は当たり前に書けますが、現場で実現するには精度を求める程に難易度が上がります。

CGと現実世界の決定的な違いは、その微妙な揺らぎの有無だと思います。CGで見る建築は、現実の建築よりもとても硬く見えます。
一部の隙もなく完璧に収まっているので当然と言えば当然です。
でも、世界の巨匠の名建築は、現代の建築とは全く違う環境の中で作られて、壁だって曲がってたりしてますが、なんとも言えない魅力があります。精度を高める努力を怠ることは決して良いことでは無いけれど、それと建築の本質とはまた違う気もします。
究極の精度で作りたいけれど、魅力的な揺らぎも生み出したい。
その絶妙なバランスが重要だと思うし、それをコントロールするのは至難の業。
意図的にそれが出来たら、凄いことになるんじゃないかなと思いつつ。
建築家としては、そういう思いを読み解いてくれる施工者に出会いたいと常に思っています。