Category Archives: 2009

TNデザイン一級建築設計事務所

スタディーズ・イン・オーガニック

隈研吾建築都市設計事務所著『studies in organic』 著者が設計事務所になっているのがちょっと変わっていて、値段も手頃だったので読んでみました。 隈さんの建築は以前から好きでよく感動させられました。 広重なんかは近くに行くときは必ず寄らせてもらってます。 最近はご自身も語るように新たなフェーズに向かっていることを私も感じていて、それから「隈作品」からちょっと距離をとるようになりました。 そんな状況だったので、今の隈さんはどんな事を語っているのだろうかと興味がありました。 巻頭の論文は私にとってはとても意味のあるものになりました。 それは、私自身が悩み苦しみながら格闘している様子と共通するものを見つけられたからでもあります。 私のフェーズは相変わらずに小さな「リング」でしかないけれど、それに対応する戦い方も考えなければならないなぁと再認識するとともに、フェーズを進化させていく努力もしなければならないと感じました。 それが、隈さんのように華やかなものにならなくとも。 設計事務所として書いているというのが、もしかしたらそういう意味なのかもしれません。…

TNデザイン一級建築設計事務所

くるま

先日、引渡を終えたのですがその直前に車が路上で故障しました。 現場が始まるとロクにメンテもしなくなってしまうので、当然と言えば当然ですが 実はこの現場が始まる直前にも同じような故障をしています。 現場の始まりと終わりを車の故障で感知しているかのよう。 不思議ですな。 上の写真は空冷ワーゲンをご存知ならば見た事あるでしょうが、ミッションです。 故障の原因はクラッチレリーズが折れてしまったのです。写真中央の丸いパーツを支えているバーです。 ちなみにこの写真は直った後の写真です。 路上で止まったのは初めてだったのですが、打合せ予定の家具屋さんと 急遽来て頂いた車屋さんに救助して頂きました。感謝いたします。 当初はクラッチケーブルを疑っていたのですが、これが全く異常なし。 もしやと思い、エンジンを下ろしました。 レリーズはアーリータイプだと折れやすくジャダーが出やすいので レイトタイプに変更した方が幸せになれます。とパーツショップの方に教えて頂きましたので 早速、レイトタイプに変更大作戦を計画しパーツ注文しました。 でもおろすんだったらってことで、クラッチ交換とエンジンシールの交換とオイルも換えなくちゃ・・・って感じで作業は増えていき・・・。 パーツ待ちを合わせると約1週間かかりました。 で…

TNデザイン一級建築設計事務所

住宅の意味

  Photo:P1060316.jpg by End User 最近、住宅をつくることにちょっと迷いが出てきました。 そして、アートを提供するべきという自分の信念にも。 このブログは自分との対話をテーマにしているので、出来るだけ自分の思うことを書きたいと思います。 それは、クライアントの満足度に対する疑問です。 建築は公共的なものでその評価は客観的であると僕は思っています。 でも、客観的にいくら評価を得てもクライアントの満足度はそれほど比例しない場合があります。 例えばご夫婦であれば、旦那様と奥様の温度差の違い。 夫婦であるから同じ感覚であるという訳ではなく、違いがあって当然。 だからこそ、計画段階での打ち合わせや図面の確認で、そのギャップを埋めていく訳です。 でももしも埋まらなかったら? 埋まらずに建築が完成してしまったら? 僕は建築には愛が必要だと以前の記事に書きました。 それはクライアントの愛が一番必要なのは言うまでもありません。 きれいなだけでは愛されない。 人を好きになることに理由は必要ないように住宅を愛することに理由はない。 気に入ることが最大の理由であれば、気に入らないものに愛情は生まれない。 ではどう気に入ってもらえるか考えなければならないが、僕はクライア…

長野のデザイン住宅設計事務所

オープンハウス

オープンハウスが無事に終了致しました。ご来場の方には心より感謝致します。ありがとうございました。 そして、クライアント様のご好意にも感謝しております。 当日は、以前お世話になったクライアント様もかけつけてくださいました。 特に「#5115」のクライアント様は終了時間を過ぎても話が尽きなくて、そのまま場所を変えて話し続けました。 お会いするのも久しぶりで、実は今年の夏のあたりからお会いしようとお互いにスケジュール調整をしていたのですが、この現場の都合もあったりしてなかなか時間が取れなかったのです。 いつも時間を忘れて話し続けてしまうのですが、あらためて感じる事はこの方の建築に対する”愛情”といいますか、自分の住宅に対する愛をひしひしと感じるのです。 それは、私にとってとても嬉しい事で感動してしまいます。 その方の言葉の端々に自分の家の感覚が体にしみ込んでいるという感覚を感じます。 そしてそれは、かなりのハイレベルな感覚に成長しているように思えるのです。 建築家の感覚に近くなる程に。 だから、建築評論家のような事をさらっと言ったりします。 「それは、小澤さんに教えられたことですよ」 そう言われたとき、私の思いが建築を通して伝わっているのだなと実感します。 建築を理解する事はとても時間のか…

TNデザイン一級建築設計事務所

GD2009表彰式

Good Design Award 2009の表彰式に出席いたしました。 戸建部門の全受賞者です。 私の作品はどこかわかりますか? 前回の表彰式と少しずつ変化していて、楽しかったです。 改めて見ると、よくぞこの中に選ばれたもんだと感慨深い思いでした。 生意気にも二度目の受賞なのですが、やはり嬉しいですね。 今回は全く自信がなかったので、自分でも驚いています。 しかしこれは一つの評価であって、まだまだやれる事があるし 事実そういう評価を審査員の方から指摘されています。 裏を返せば、とても誠実に審査をしていると言えるでしょう。 Gマークはとても認知度が高くなるにつれて、レベルもアップしているでしょうから 私自身、気を引き締めて新たなる目標に向けて努力したいと思います。 今回の表彰では、審査員の方から直接賞状をいただけると聞いて待っていました。 いざ、私の順番になり、壇上にあがり一礼。 審査員の方「受賞おめでとうございます。作品名ア・ハウス」 私「・・・ありがとうございます・・・(確かにそうだけど、エー・ハウスと言ってもらいたかった・・・)」 まぁよくある事です。 でも、本当にとれて良かった! クライアント様、関係各所の皆様、心より感謝致します。 ちなみに大賞は私の故郷北海道の「岩見沢駅舎…

TNデザイン一級建築設計事務所

空間の質

前回紹介した岸氏の著書の中で、美術館に対する思考があります。岸氏は以前より、F・ゲーリィによる『ビルバオ・グッゲンハイム』を高く評価していたのを知っていたのですが、なにがどう良いのかを再認識しました。 さらにそこにある空間の質と私が何を求めて建築をつくっているのかという本質的な問題を認識する事になりました。 私にとって美術館というものはあらゆるビルディングタイプの中でも特別な存在で、設計者なら美術館の設計を依頼されて喜ばない人はいないでしょう。 そして、私のつくる住宅を見た一般的な意見として、よく言われるのが「店舗のようだ」という言葉について。 今まではさほど気にしていなかったのですが、それは空間の質によるものなのか?ということです。 岸氏によると、テーマパークというのは現実空間から仮想空間に巧みに導入するために、中間領域として商業空間を挟み込む。そこで観客は気がつかないうちに本格的な仮想空間に導入される。それがテーマパークに共通する空間構成である。 そしてそれが、「気がつかないうちに」成立するのは、商業空間は現実の空間のなかでも無意識に半仮想的な空間だというコンセンサスも存在するからだと思う。 そうなると、私の建築空間に対する一般人の評価である「商業空間のよう」というものは、ある種…

TNデザイン一級建築設計事務所

「竣工」

岸和郎著『逡巡する思考』2007年の初版であるが、今の自分にフィットするその感じが、読んでいて心地がいい。 建築をつくり終え「竣工」を迎える前後の設計者の気分が的確に表現されています。 ここからは上記の著書の引用。 ”設計監理者としての自分は建築を実現するために集まってきたチーム、ゼネコンの現場所長から左官の職人見習いに至るまで、小さな住宅でさえ数百人という人達が集まったチームの真ん中に立つ立場にいます。旗振り、といっても良いかもしれません。一つの建築を実現するために、そのチームのことを考え、気遣い続けるのが設計者の仕事だと思っているのですが、「竣工」というみんなの目標が達成され次第、そのチームは解散します。成果に満足している人もいれば、まったく不満足な人もいるでしょう。そんなとき、いつも設計者としての私が感じるのは、反省と不満足でしかありません。チームのすべての構成員に満足して仕事をしてもらいたい、そのうえで結果としての建築が人を感動させるものでありたい、と思っているのですが、その思いが十全に達成されることなどありません。” まさしく今の自分は反省のオンパレードで満身創痍な感じです。 決してクライアントが求めるものに答えられなかったというようなレベルでの話ではありません。 建築家と…