Category Archives: 2009

石膏ボード

メインの壁と天井の石膏ボードが大体張り終わりました。 っても、目の前にボードがこんなにあるので残り1/3くらいでしょうか。 改修工事は新築と違って、大変なことが多いです。 なにが?という原因はそれぞれ異なっています。 しかも、それが事前に予測できればいいのですが 出来ない場合もあります。 やってみなければ分からない。 というと、とてもいい加減に聞こえるかもしれませんが どんなに緻密に計画しても、現場でしか決められないことがあります。 設計をやっていると、つい現場をわかった気になって 机上で処理しようとしてしまうことがあります。 現場は生モノです。 ほっとけば、必ず腐ります。 食べ物は腐りかけがおいしいといいますが 建築現場はどうでしょう。 僕は腐りがない、新鮮な現場が好きです。…

耐震改修

こちらの改修部分は全て耐震補強をしてあります。(詳細は書きませんが) 通常とは逆の方法で補強しているので、細かく見れば非常に難しい工事になります。 補強をするために、壁を少し厚くしなければならなかったりします。 今回は外部は全く触らないので、やむおえなかったのですが。 でも、そのおかげで建物全体の強度も増し、柱が減っていても性能は上がっています。 この建物は築25年くらいなのですがその当時の施工方法を見ると、現状の金物第一主義の構造に疑問が湧いてきます。 筋交にしても鎹などは使っておらず、釘のみでした。 ただし壁量の取り方が偏っている気がしました。 あくまでも現在の基準に照らし合わせてという意味ですが。 補強をしなくとも、この建物が特別に弱いとは思えませんし、むしろ25年間構造を維持してきた事実の方が確かな強度に思えます。 そういう意味では、構造において実験によって強度を測る方法は説得力があります。 ただし、建築の場合はやはりバランスというのがとても重要だと思います。 パーツにおいて強度があっても他とのバランスが良くなければ恐らく荷重が逆に集中してしまい崩壊の危険性もあると思います。 バランスをとることとはずすことはデザインにおいての最重要次項。 そして、それは構造にも言えることだと…

見えないところ

根太(床のあたりに並べられている部材)という部材は床をしっかり張るための重要な部材ですが 床を張ってしまえばほとんど日の目を見ないものです。 でも、きれいに並べられた木ルーバーのような根太は見えなくなるが故の美しさを放っています。 そういうところも手を抜かない、むしろ重要な部分だからこその必然美というか・・・。 いい床を支えるために、これからよろしく。根太のみなさん。…

construction!

新築の案件も動き出しました。 イレギュラーなことが多くてなかなか難しい案件です。 条件を一つ一つクリアしながら、じっくり創っています。 モノづくりには忍耐も必要。 今は情報の時代ですから、簡単に情報を集めて処理すれば良いじゃん! という訳にはいきません。 時にそういう迅速さは必要ですが、いつでも簡単に処理してはいけない場面もあります。 そういうときこそ、忍耐強く課題と戦いましょう。 きっと光が見えるのですから。…

木造!

大工さんと交わす技術に対する問いかけは、とても有意義です。 設計者にはない特別な経験や知識をたくさん持っている方が多いです。 だから、敬意をもって議論を交わすとその大工さんなりの木造に対する解釈を聞くことが出来ます。 それは、学校の講義では聞くことの出来ない貴重な知識だったりします。 現場はまさにモノがつくられようとしている場所なので、そこに設計者として身を置くことはとても大事だと思います。 ビジネス的には設計事務所は設計をして報酬を頂くので、設計をいかに効率的に終えるかということが常に問題になります。 でも、効率では創り出せないものがあるのが建築だと僕は思います。 現場で大工さんと一緒になって悩んだところで、実際は大した変化はないかもしれない。 良くなるどころか悪くなる可能性も十分にある。 しかし、僕にとって設計するということはモノが創られるその瞬間でさえも思考の余地があるのではとも思ってしまう。 思考と実践そのただ中に設計の本質はある。そしてその両方を一瞬で理解できるのは現場にしかない。 そしてそれは設計の技術として常にフィードバックすることが可能です。 だから、時間の許す限り僕は現場に時間を割きます。 幸い、今の仕事量は原始的に現地を飛び回っていても事足りる量なので。 事件はま…

解体

構造が表われました。 図面を書いていて、不明なところが全てクリアになった反面 なぜこうなっているのか、首をかしげるところも・・・。 しかし、現場はとても春と思えないくらい寒くて、クライアントが冬が寒いと 嘆いていたのも頷けます。 そして、その理由も解明できました。 住宅という設えは、現地のことを知らなければ成立しないことを 身を以て感じます。…

いよいよ・・・

やっとリノベ工事の着工する段取りになりました。 これから解体ですが、いかに変化するでしょうか。 どこかのテレビ番組のように「なんという・・・」 ことになるかというよりも、出来上がった空間が 僕とクライアントの心に響くことが何より大事です。 どんな仕事でも条件や制限があるものですが、それを感じさせない 建築をつくることが大事。 出来上がった建築が全てですから・・・。…

TNデザイン一級建築設計事務所

サガ

  Photo:Artiste de rue By *** Fanch The System !!! *** ある有名歌手が語る言葉にちょっと感銘を受けました。 「アーティスト性(さが)を持つ限り、創作の衝動を止めることは出来ないし、それが生きている証である。 過去の自分を超えたいから、私は創作をし続ける。 それが、どう世の中に受け入れられるかは、別の問題である。 多くの人に聞いてもらうことは大切なことだけれど、それだけが目的になれば、いずれ破綻する。 夢を描くこと自体が、夢を与える行為だと思う。」 その歌手が語った言葉を僕なりの解釈で文章にしてみました。このような意味で語っていたかは、定かではありません。 僕の勝手な思い込みかもしれません。 でも、その言葉は何十年もトップを走り続けていても、いまだに走る速度を緩めることなく、走り続ける創作者としての一面を表していると感じました。 そして、そういう人たちは音楽の世界だけでなく、創造する世界にはたくさんいることを僕は知っています。 もしかすると、創造の世界以外にも共通する概念かもしれません。 夢がなければ、夢を追うことも、叶えることも出来ないのだから。…

つくりたいモノ

  Photo:Wright-3 by rucativava 小室氏についての興味深い記事を読んだ。 それによると、小室氏の手法というのはリスナーのターゲットを極端に絞り そのリサーチを徹底して行うことで、楽曲を生み出していくということらしい。 そして、同時期のもう一人のプロデューサーである「つんく」について。 「僕は新しいダンスミュージックをどうやったら手にとってもらえるのかを考えていただけ。」 過去の実績をそう語っていたらしい。 時代の寵児が二人そろって、自らの創造性ではなく、大衆というマスに向かって「ウケる」音楽を発信していたという事実。 大衆に支持を受けるものをクリエーターがいつも探している状態。 さらに、今のJpopと呼ばれるジャンルはどの曲も似たような曲調で、盗作疑惑もちらほらある。 それは、実はリサーチによるコード進行の類似によるもので音楽的な工夫や創造を放棄した結果ではないかという解説。 つくりたいモノではなくて、要求されているモノをつくることがクリエーターの仕事と呼べるのだろうか。 建築家は依頼がなければデザイン出来ないかもしれないが、つくりたいモノもしくはつくるべきモノを創造することが建築家のアイデンティティーだと僕は思っている。 大衆に支持されるものが…