Category Archives: 建築デザイン思考

中野本町の家

住宅という建築

Photo:www.toyo-ito.co.jp 久しぶりに読書 本は「中野本町の家」。 約10年くらい前の本。 以前購入しようと思ったら品切れになっていて、絶版になっていたと思ったら 偶然本屋で遭遇。 最近になって再販されたみたい。 面白くて一気に読み終えてしまった。ボリュームか少ないのもあるけど。 ここには、若き建築家の情熱と住宅を欲した施主の葛藤が克明に記されている。 建築家と呼ばれる人間ならば、それは誰しもが表現者にほかならない。 表現者なのだから、そこに独自の価値観が挿入されているし、そうでなければ 建築家とすら呼ばれない。 しかし、その価値が施主にとって有益なのかどうなのか。 そこに建築家の存在価値を見いだす事も出来るが、批判を浴びる原因にもなっている。 「建築家」というのは日本ではその定義が極めて曖昧だ。 私自身、建築家と呼ばれる事に抵抗がある。 私はそんなに大家ではない。 逆を言うと大家である人が建築家と呼ばれるべきだ。 日本にはあまりに多くの「建築家」がいると思う。 価値のある作品を創れる人はそう多くはいない。 最近は建築家ブームらしく、至る所に建築家という肩書きで商業的な動きがある。 私も少なからずそういう所に関わった事があるが、何か危機感を感じる。 ”デザイナー…

TNデザイン一級建築設計事務所

fiber city

遅ればせながら、FIBER CITY~東京2050 の都市計画を見る事ができました。 これは丹下先生が発表した「東京1960」の現代版なのですが、大野先生が言うように 建築家が都市を論じ、考察している気配というか風潮が少ないのは私自身も感じるところ。 建築家にとって都市は前面道路であり、ファサードをガラス張りにすれば「都市に開く」と 言ってしまうくらい、矮小な存在だ。とある芸術家が言っていたが、それに近い状況を感じる。 しかし、だからといって直接に単体の建築が影響力を持てるかと言えば、とたんにトーンダウンする。 それは建築を単体で捉えている限り困難だろう。 だからこそ、都市計画というイメージの共有が必要だ。 それぞれが出来る事は、わずかかも知れないが、同じイメージを共有している人間の活動が 点から線へ、線から面へ拡張する事でより有効になってくる。 そういう意味で、この「東京2050」で提示された都市イメージは、私には非常に魅力的に見えた。 拡張から縮小へ、「コンパクトな大都市」という概念が「東京1960」と対比している分わかりやく 自然に受け入れられる。特に地方都市の人口減少は、今すぐに問題が起こってもおかしくない。 状況は突然変化するものでもないが、かといってそれが停止するものでも…

TNデザイン一級建築設計事務所

体感-2

建築と対話をする。 自然と対話をする。 人間と対話をすることは容易い。共通言語を持っているから。 でも共通言語を持っていない他者と対話をするのは、容易ではない。 建築は動けない。それは自然も同じ。 だから、こちらが会いに行く。 会ってみなければ、どんな他者かわからない。 お見合い写真は、もう見飽きてしまった。 新たなる出会いを求めて。 九谷焼窯跡展示館 静かなファサード   顔? 西田幾多郎記念哲学館 住吉の長屋がフラッシュバック。本家よりも太っている・・・ スタルクの椅子が壁面にとけ込む。 この純度に圧倒される。 コンクリートに転写されたレイヤーがこの建築のすべて。 全てを浄化するレイヤー。 格子のレイヤーが重なるごとに奥行きが増してゆく。 宇ノ気町立金津小学校 木造は純度が下がる。それをここまで引き上げるのは設計者の力量。…

TNデザイン一級建築設計事務所

体感-1

先日、建築を体感してきた。 純粋に体感するのは、簡単なようで難しい。 建築は機能があるものだから、その機能が満たしているかどうかは、比較的簡単に判断できる。 しかし、建築と対話をするべく姿勢で感じようとすると、とても一日では判断できない。 そこが、建築の懐の深さであり、奥行きというものだ。 対話する感覚は、その場所に身をおいた者にしか得られないものだろう。 そして、それを磨く事は建築家としてだけでなく、人間としての感受性をみがくことだ。 そこに、芸術の本質があると思う。 なんでもないことが、なんでもなく見える瞬間を大切に。 新たな発見に心ときめかせつつ、感じた事。 TARNSTATION大関 小さな駅で舞っている日常を包む鉄板。 周囲はごくありふれた住宅街に挿入された異質さが心地よい。 HALFTECTURE福井 ありふれた水平線と垂直線に抗うように曲がってしまった。あるいは曲げられてしまったよう。 曲線の美意識を感じる。 福井県立図書館・文書館 自然と人工物の対比は、建築の永遠のテーマ。 色彩の美しさと素材感が際立っている。 自然に負けない自然さ。…